要介護の高齢者は加齢による体力の低下から様々な病気を患うリスクが高いと言えます。
中でも老人性うつは誰でも患う可能性があるので軽視できません。
老人性うつは65歳以上の高齢者に見られるうつの症状を意味する俗称で、その症状は人によって異なります。
症状によって接し方も変わってくるため、介護士なら老人性うつの症状と接し方を理解することが大切です。
また、認知症の症状と類似していることが多く、介護の現場でも認知症と誤解するケースが少なくありません。
認知症は脳の機能に不具合が生じるのに対し、老人性うつは心の病の一種です。
そのため、適切な対処法が大きく異なるので注意しなければなりません。
老人性うつを放置すると運動機能にも悪影響を及ぼし、他の病気に見舞われるリスクが増大します。
そのため、心のケアが重要と言えるでしょう。
老人性うつを患う原因として焦りや不安、苛立ちによる心の疲労が挙げられます。
要介護の高齢者は身体機能の低下により、思い通りに体を動かすことが容易ではありません。
些細な行動も他者の介助が必要になるため、そのような状況を歯がゆく感じてしまうのです。
自分よりはるかに若い他人の助けが必要な状況を恥ずかしく感じてしまうのも老人性うつを引き起こす要因とされています。
介護の現場では要介護の高齢者をリラックスさせることが大きな課題です。
介助されるのは恥ずかしいことではない、加齢によって身体機能が低下するのは普通のことと認識を改めてもらうのが介護職の務めといえるでしょう。
高齢者介護は単に体を支えるだけではなく、心にも寄り添って労わるのが正しいあり方です。